第22期 産業廃棄物処理業経営塾 開塾のご挨拶
産業廃棄物処理業経営塾 塾長 田中 勝 (岡山大学 名誉教授 公立鳥取環境大学 名誉教授)
2024年12月に日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞しましたが、2025年12月には大阪大学の坂口志文氏が生理学・医学賞を、京都大学の北川進氏が化学賞と日本人二人がノーベル賞を受賞するという明るいニュースがあり私たちを勇気づけてくれました。
一方、2022年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻し、4年続いた戦闘状態は未だ終わりそうにありません。武力攻撃で人が殺され大量の戦争廃棄物が発生している状況が続いています。一日も早く地球に平和が訪れ、多くの資源が無駄に使われたり、破壊されることの無い社会を取り戻そうではありませんか。
2004年から開塾した経営塾では産業廃棄物処理業界に『社会の潮流を読み、将来の実行可能な事業企画案を書き、企業の競争力を高める成長戦略』という「読み、書き、そろばん」が出来る人材を育てることが出来ればと願っています。「読む」という意味には、日本語や外国語を読めるということもありますが、人の気持ちを読む力も重要です。次に「書く」ですが、企業の将来ビジョンを描き、それを達成するシナリオを「書く」ことが経営者にとっては重要です。「そろばん」は、無駄をなくして経営効率を高めるために何を選択するかを判断する能力です。そのためには調査や解析が必要で、できるだけ科学的根拠に基づいた判断をする必要があります。また経済的な側面だけでなく、社会の信頼を確保するための判断ができることがますます重要になってきたと思われます。このように企業人として人間力を兼ね備えた「読み、書き、そろばん」の能力を高めていただきたいと思います。
国連は持続可能な開発目標SDGsを掲げて、世界の国々や企業、個人に取り組みを求めています。皆の努力で世界は平和な社会、豊かな社会になるでしょう。その結果、世界の人口は増加し経済成長とともに人々の購買力は向上し、社会でより多くのモノが生産・消費され廃棄物の増加が見込まれます。廃棄物工学研究所の推計予測では世界の廃棄物排出量は2025年には170億トン、2050年には320億トン/年となります。廃棄物処理業界により、これらが回収され、リサイクル,焼却処理等中間処理や最終処分がされます。一方、限られた資源や環境容量を持っている地球の存続のために、私たちの豊かな生活を維持しながら資源を大切に、環境を大切にする社会、すなわち循環経済社会の構築が求められており、それには廃棄物分野の高い技術やノウハウを生かした戦略的なマネジメントが求められています。
廃棄物処理業界におられる皆さんは、世界が求めている循環経済社会の構築に貢献することができるのです。このように重要な廃棄物処理業界で活躍できることを誇り(Pride)に思い、欧米の企業に負けない一流の企業に持続的に成長することを夢(Dream)見て、また廃棄物処理は私たちの責任でやり遂げるという使命感(Mission)を持ってもらいたいと思います。この誇り、夢、使命感のPDMを大切にしてください。PDMを常に心に抱けるように経営塾で学んで欲しいと思います。


