財団業務のご紹介(原状回復支援事業)
1.はじめに
当財団では、生活環境の保全を図るため、不法投棄等による生活環境保全上の支障を除去するための措置に対して財政的な支援を実施しているほか、不法投棄等を未然に防止する取り組みを行っています。
平成10年に施行された廃棄物処理法の改正では、深刻化する不法投棄問題への対応を強化するための施策の一つとして、産業廃棄物行政を所管する自治体(以下「都道府県等」という。)が、やむを得ず実施する生活環境保全上の支障の除去等(原状回復)を行う際、「産業廃棄物適正処理推進センター」が自治体に対して財政的な支援等を行う制度が設けられました。
当財団は、廃棄物処理法の規定による産業廃棄物適正処理推進センターに指定されており、都道府県等による原状回復を支援するため、基金を設けて管理するとともに要請に応じて行政代執行への財政的な支援を行っています。
原状回復支援事業は、都道府県等が不法投棄等により発生した生活環境保全上の支障を除去する際に、産業界による出えんが7分の4、国の補助金が7分の3の割合で造成した適正処理推進基金から、事業を実施する都道府県等へ対象事業費の10分の7以内の金額を支援する制度となっています。
この取り組みにより、都道府県等による原因者への責任追及を支援して将来的な不法投棄等の予防につなげるとともに、早期に被害の拡大防止を図ることで生活環境の保全に資するものと考えています。
2.不法投棄等原状回復支援事業
(1)従来の基金からの支援の概要
原状回復支援事業の基金からの支援の概要は、図1に示すとおりです。
*費用の負担割合(産業界:国:都道府県等=4:3:3)
図1 基金からの支援の概要
(2)令和6年度までと令和7年度以降の支援事業の支援割合
令和6年度までと令和7年度以降の支援事業の支援割合は、図2に示すとおりです。
図2 令和6年度までと令和7年度以降の支援事業の支援割合
3.低濃度PCB廃棄物行政代執行支援事業
令和2年度頃より、低濃度PCB廃棄物の不法投棄等が発生し、高額な処理費用により適正処理推進基金の枯渇が懸念されたことから、環境省の方針により、独立行政法人環境再生保全機構(ERCA)の助成金を活用した低濃度PCB廃棄物の行政代執行に関する支援事業が令和6年度から制度化されました。
低濃度PCB廃棄物行政代執行支援事業の概要は、図3に示すとおりです。
図3 低濃度PCB廃棄物行政代執行支援事業の概要
<参考>代執行支援事業の財源について
この支援事業は、公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団が、独立行政法人環境再生保全機構のPCB廃棄物処理基金からの助成を受けて行っているものです。
4.特定支障除去等維持事業への支援
令和7年度より適正処理推進基金の国造成分から特定支障除去等維持事業に関する支援を行っています。事業の概要は、図4に示すとおりです。
図4 特定支障除去等維持事業への支援の概要