環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書の公表
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環境省は、「令和6年度環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書(2023年調査結果)」を取りまとめ、令和7年6月30日に公表した。 https://www.env.go.jp/press/109722_00001.html その概要は、以下のとおり。 |
1.環境産業の定義
本報告書では、環境産業は「供給する製品・サービスが、環境保護(Environmental protection)及び資源管理(Resource management)に、直接的又は間接的に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献する産業」と定義。
具体的には、「環境汚染防止」、「地球温暖化対策」、「廃棄物処理・資源有効活用」及び「自然環境保全」の4つの分野に分けている。
2.国内の市場規模の推計
(1)市場規模の現状及び推移
① 環境産業全体
国内の環境産業の市場規模推計は、130兆3,312億円。前年比5.9%の増加、2000年比約2.1倍となっている。
図1 国内市場規模の推移(環境産業)
全産業に占める環境産業の市場規模の割合は、2000年の6.6%から2023年には11.3%まで増加し、環境産業が我が国の経済成長に与える影響は大きくなっている。
図2 全産業に占める環境産業の割合(環境産業市場規模/全産業産出額)
② 廃棄物処理・資源有効利用分野
2023年の市場規模 は 64.3兆円、前年に比べて 4.4%増加した。 「廃棄物処理・リサイクル設備」に含まれる「都市ごみ処理装置」「事業系廃棄物処理装置」が大きく増加した。
図3 国内市場規模の推移(廃棄物処理・資源有効利用分野)
(2)市場規模の将来推計
① 環境産業全体
国内の市場規模は2050年にかけて上昇傾向を続け、約146.8兆円まで成長すると推計された。2050年の構成比率は、「廃棄物処理・資源有効利用」 分野が51.9%と最も多く、「地球温暖化対策」分野がその後に続く。
図4 国内市場規模の将来推計(環境産業)
② 廃棄物処理・資源有効利用分野
廃棄物処理・資源有効利用分野の2050年の市場規模は約76.1兆円となり、 2022~ 50年のCAGRは0.6%となっている。構成比率は、「リフォーム、リペア」が34.8%と最も多く、「リース、レンタル」がその後に続いている。
図5 国内市場規模の将来推計(廃棄物処理・資源有効利用分野)
3.国内の雇用規模の推計
(1)雇用規模
① 環境産業全体
2023年は全体で約292.2万人となり、対前年度比では0.3%減少し、2000年(約200万人)と比較すると約1.5倍となっている。分野別では、「地球温暖化対策」分野の伸びが著しく、2000年から2023年にかけて約5.8倍に拡大している。
図6 雇用規模の推移(環境産業)
② 廃棄物処理・資源有効利用分野
2000年以降緩やかに増加を続けてきたが、2007年から2010年まではほぼ横ばいで推移した。2010年から2011年にかけて、「都市ごみ処理装置」、「建設リフォーム・リペア」及び「100年住宅」の増加により、雇用規模は再び増加した。2013年以降は、雇用規模が大きい「資源、機器の有効利用」の増減に伴い、当該分野の雇用規模も増減を繰り返している。
図7 雇用規模の推移(廃棄物処理・資源有効利用分野)
4.その他
環境産業に関する情報は、「環境経済情報ポータルサイト」の「環境産業情報(「環境産業の市場規模等調査結果」)に掲載されている。
http://www.env.go.jp/policy/keizai_portal/B_industry/index.html
(参考)上記ポータルサイトには、上記調査報告書の「概要版」と「詳細版」が掲載されている。
- 概要版:「環境産業の市場規模・雇用規模等の推計結果の概要について(2023年版)」
https://www.env.go.jp/policy/keizai_portal/B_industry/1-3_suikei.pdf - 詳細版:「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」(令和7年3月)
https://www.env.go.jp/policy/keizai_portal/B_industry/b_houkoku3.pdf
〔注〕上掲の各図表は、「環境産業の市場規模・雇用規模等の推計結果の概要について(2023年版)」から転載した。


